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圧倒的実力!? 地元フランス馬たちの凱旋門賞成績は?

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1920年に創設されて以来、95回もの歴史を誇る凱旋門賞。欧州屈指の大レースとして知られ、毎年のように欧州諸国、そして日本などのアジア圏の馬たちなども遠征してきて、国際レースとして華やかな一戦になります。

95回の歴史を数える凱旋門賞で、地元フランス馬が勝ったのはなんと66回。およそ3回に1回は勝利していることがわかります。歴代の勝ち馬を見ると第1回から30回まででフランス馬が勝利したのはなんと25勝! 圧倒的な強さを誇るように見えますが、これには訳がありました。

というのも当時の凱旋門賞にはそもそも論として、外国からの遠征馬、特にイギリスなどの欧州からの一流馬の参戦がほとんどありませんでした。その理由となっていたのは交通アクセスの悪さでした。

第一次世界大戦後、フランス国内の鉄道はほとんどが破壊され、ロンシャン競馬場に遠征馬がいくのはかなりの苦難となりました。賞金自体は英ダービーよりも高額でしたが、遠征費用でお金がかかり、さらに長時間となることから体調管理が難しいという理由でイギリスからは参戦馬がわずかに1頭。それ以外の国はそもそも競馬をできる状態にまで回復していないという理由でパス。結果的に凱旋門賞にやってきた遠征馬はイギリスで6戦全勝も自国のビッグレースをほとんど制していなかったカムラッドとスペインのヌウヴェランの2頭だけ。一方でフランスは前年の2歳王者のシドカンペアドールにアンブリー、そしてフランス牝馬2冠馬のフラワーショップという顔ぶれでした。

自国開催最初のレースだけに勝ちたいと思ったことでしょうが、結果はイギリスの二流馬であるはずのカムラッドが圧勝。凱旋門賞当初のコンセプトである「海外の一流馬の参戦」「その一流馬たちをフランスの馬が破る」というシナリオは見事に崩壊しました。むしろ、海外の二流馬にフランスの一流馬たちがねじ伏せられるという最悪のシチュエーションになりました。

翌21年の凱旋門賞にもイギリスから出走馬はいましたが、いずれもさしたる一流馬というわけではありませんでした。しかも主催者側の不手際もあり、出走前にスタンド前を2回行進させられた挙句、遠征してきた馬たちはいずれも興奮状態に陥りレースになりませんでした。この結果、フランスのクサールという牝馬が勝利しました。自国フランスの馬が勝ったとは言えますが、なんとも後味の悪い結果に終わりました。3年目の22年に至ってはとうとう海外からの遠征馬は1頭もおらず、全馬フランスの馬というメンバーの中でクサールが連覇。せっかくの凱旋門賞連覇も価値が半減です。

この後も凱旋門賞には諸外国からのトップホースの参戦がなく、ほとんどフランス馬のレースという中で競われていました。

名ばかりだけの国際レースだった凱旋門賞が変わったのは戦後間もない49年。賞金を大幅に増額したことでした。当時、凱旋門賞と近い時期に行われていたイギリスのキングジョージ6世Sに負けないようにと賞金を増やしたことで遠征馬も増加。そのため、各国から遠征馬がやってくるようになり、凱旋門賞はようやく国際レースとしての顔を取り戻しました。中でも国際レースとして決定的な印象を高めたのは65年に行われた第44回の凱旋門賞でしょう。

この年の凱旋門賞は史上最高のメンバーが揃った一戦という触れ込みで、アメリカ、ソビエト、イタリア、アイルランドなどからそれぞれ最強馬が送り込まれただけでなく、地元フランスの英雄であるシーバードとフランスダービー馬のリライアンスが打ち負かすかという構図のレースでした。

しかし、いざゲートが開くとシーバードの独壇場。直線ではこれだけの豪華メンバーを相手に突き放す一方で結果は6馬身差をつける圧勝劇。地元の英雄シーバードが勝利したことでフランス競馬の権威はうなぎのぼりになりました。そして、イギリスなどの競馬先進国に肩を並べるようになりました。

その後も凱旋門賞を制した馬を見ていくと、70年以降でフランス馬が3年連続で敗れた年は1年もありません。80年代以降のフランスの凱旋門賞馬で話題になったと馬といえば、97年のパントレセレブルでしょうか。

日本でもおなじみの名手、オリビエ・ペリエが騎乗してフランスダービーなどを圧勝した実力馬でしたが、凱旋門賞で真の一流馬に。この年の凱旋門賞にはピルサドスキーら実力馬が多数遠征してきたにもかかわらず、レースは終始パントレセレブルのワンサイドゲームになり、直線では2着馬に5馬身差をつけるブッチギリ。シーバードの凱旋門賞からおよそ30年後にこれほど強い馬が現れた!と話題になりました。

そしてフランスの馬たちの凱旋門賞での強さは日本馬泣かせ。エルコンドルパサーが遠征した99年に凱旋門賞を制したモンジューをはじめ、凱旋門賞に挑戦した日本馬が敗れた際の勝ち馬のほとんどはフランスの所属馬たちです。

モンジューのような大本命馬ならともかく、オルフェーヴルが敗れたソレミアはジャパンCに出走した際に大敗。13年に挑んだ際は3歳牝馬のトレヴに敗れましたが、オルフェーヴルとは5キロ以上の斤量差が響いたとも言われています。

今年の凱旋門賞に出走する日本馬のライバルにフランスの馬たちが名乗りを上げか…注目したいですね。