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凱旋門賞とは因縁アリ!? キングジョージ6世&クイーンエリザベスSとは?

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欧州競馬界において、古馬のビッグレースと称されているのが10月に行われる凱旋門賞。そして、夏に行われるキングジョージ6世&クイーンエリザベスSがそれにあたります。凱旋門賞がフランス、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSがイギリスで開催されるだけにこの2大レースを制した馬は名馬と称され、ヨーロッパ界でも権威のあるレースとされています。

しかし、このキングジョージ6世&クイーンエリザベスS、凱旋門賞とは昔から少なからず因縁のあるレースとしても知られています。というのも、このキングジョージ6世&クイーンエリザベスSの創設がその理由となっています。

凱旋門賞が創設されたのは1920年。当時からロンシャン競馬場で10月に開催されていたレースでしたが、開催当時は遠征のためのアクセスが悪すぎたために外国馬が集まることがほとんどありませんでした。第1回目こそ、イギリスからやってきたカムラッドが勝利しましたが、2年後の第3回目には凱旋門賞に外国馬の参戦はゼロ。地元の英雄、クサールが連覇を飾ったというのになんとも寂しいメンバー構成となりました。

この頃、凱旋門賞に海外からの有力馬が来ない理由の一つとなっていたのはイギリスの大レース。中でも秋に開催されていたジョッキークラブSの存在でした。開催条件はまさにイギリス版凱旋門賞という様相のレースで、「凱旋門賞に無理して遠征するくらいなら、自国イギリスのレースで着実に賞金を稼ごう」とイギリスのホースマンたちは考え、凱旋門賞に見向きもせずにこのレースばかりを選択していました。

第二次世界大戦後、欧州内で国際競馬が復活してくると、イギリスは凱旋門賞のちょうど1ヵ月前に当たる9月にキングジョージ6世Sという、現在のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSの前身にあたるレースを創設します。このレースの条件は芝3200m。当時は戦争の影響もあって、長距離を走れる馬こそ一流という認識があったため、キングジョージ6世Sはたちまち欧州のホースマンたちから人気を集めるようになりました。

1ヵ月後に凱旋門賞が行われるとはいえ、ほとんどの馬がこのレースを最大目標に仕上げてくるため、凱旋門賞に見向きもしないという陣営が増加。結果的に凱旋門賞の立場が危うくなりました。

そんな凱旋門賞が復権したのは49年。賞金を増額したことからでした。これで逆に危うくなったのがキングジョージ6世S。対抗策として、夏に開催されていたクイーンエリザベスSと統合することなり、51年に現在のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSが創設されたという歴史があります。そのため凱旋門賞にとってキングジョージ6世&クイーンエリザベスSは因縁のあるレースと言っても過言ではないでしょう。

開催時期が夏に移行したことで、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSと凱旋門賞を連覇することが可能になったのですが、史上初の2大レースを制した馬は意外にもイタリア所属のリボーでした。

フェデリコ・テシオ最高の傑作とさえ称された馬ですが、3歳時には早くも凱旋門賞を制覇。4歳になった56年にキングジョージ6世&クイーンエリザベスSに出走して快勝すると、秋には凱旋門賞連覇の大偉業を達成。競馬後進国とされていたイタリアの馬にこの2大レースを制覇されたことは両国のホースマンたちの闘志に火をつけました。

両国の中で初めて2大レースを制したのは71年。イギリスの名馬ミルリーフでした。クラシック戦線ではブリカディアジェラードとのライバル関係で知られる馬でしたが、英ダービー以降はミルリーフは古馬戦線に打って出ることで名声を勝ち得ました。その中の一つがこのキングジョージ6世&クイーンエリザベスSと凱旋門賞の制覇。ミルリーフはこれに加えて英ダービーも同年に制しているので、史上初の欧州三冠馬となりました。

一方、凱旋門賞では圧倒的な強さを誇るフランス馬ですが、意外にもキングジョージ6世&クイーンエリザベスSでは不振。ところが凱旋門賞→翌年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSというケースであれば、モンジュー(99年凱旋門賞→00年キングジョージ6世&クイーンエリザベスS)、ハリケーンラン(05年凱旋門賞→06年キングジョージ6世&クイーンエリザベスS)という例があります。

ちなみにこの2頭は親子。どちらもキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを制した後の凱旋門賞は連覇を狙って出走しましたが、揃って4着に敗れるという血統のドラマがありました。

ミルリーフ以降、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSと凱旋門賞を同一年に制覇するというのは至難の業のようで、その後に達成した馬は86年のダンシングブレーヴと95年のラムタラ、07年のディラントーマスとわずか3例のみ。いかにこの記録が難しいかがわかります。

今年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSの開催は間もなくですが、勝ち馬が凱旋門賞に出走してきた際は注目してみると面白いかもしれませんよ。