未分類

知らなかったら恥ずかしい!? 凱旋門賞の観戦マナーって?

Pocket

日本の競馬観戦において、マナーはほとんどありません。ジャケット着用などのドレスコードもなければ、入場料もJRAの競馬場なら200円のみと格安。敷居が低いだけに、公園に行く感覚で気軽に楽しめるという印象があると思います。

しかし、凱旋門賞が行われるロンシャン競馬場や今年の舞台であるシャンティイ競馬場があるフランスの競馬場は日本とは全く違います。日本の競馬場のように気軽な雰囲気で行こうとすると、現地では浮いてしまうことは必至。思わぬ赤っ恥をかいてしまいます。

そもそも凱旋門賞観戦時のマナーが声高に言われるようになったのは06年、ディープインパクトが凱旋門賞へ出走したのがキッカケでした。

日本競馬の粋を集めた馬と評され、「英雄」とまで呼ばれた名馬中の名馬だったディープインパクトの凱旋門賞参戦は日本でも話題になり、普段競馬を見ているファンだけでなく、競馬に興味がない人まで巻き込んだ一大ムーヴメントに発展。まさに国民的行事といっても過言ではないほどの大騒ぎになりました。

そのため、この年の凱旋門賞が行われたロンシャン競馬場にはディープインパクトの勝利を願う熱狂的なファンが日本から“遠征”。その数はなんと約6000人にも及んだといいます。

フランスをはじめ、欧州の競馬界では何事にも馬が優先される世界。そのため、競馬場は日本よりもはるかに静かで、レース前のファンファーレすらありません。お客さんもレース前から大騒ぎすることはタブーとなっています。

ところが、日本の競馬場に慣れているファンはロンシャンの地でも日本流でやりたい放題。ディープインパクトを応援したいという熱が強すぎたあまり、スポンサーの広告にかぶせる形でディープインパクトの応援幕を勝手に掲げ、奇妙な馬の被り物をして応援するというファンの姿も。さらにレーシングプログラムをおみやげにするとばかりに必要以上に強奪するというありさまでした。

ディープインパクトのファンのマナーの悪さは馬券にも表れていました。現地でも上位人気は必至のディープインパクトでしたが、そのオッズは一時1.1倍にまで下がりました。明らかな売れすぎですが、その原因を作ったのは紛れもなく日本人ファン。ジャパンマネーにものを言わせてディープインパクトの単勝馬券を買い占めたことがこうしたオッズを生み出しました。

ここまでなら、まだ「熱狂的なファン」で済まされたのですが、悪評を定着させたのはパドックの撮影。写真を撮ること自体は問題ないはずですが、この時集まったファンは何を思ったのか、パドックでフラッシュをたいて撮影しました。サラブレッドは臆病な動物なので、パドックでのフラッシュ撮影は日本でも禁止されているにもかかわらず、ロンシャン競馬場で行ったというのが大問題になりました。

これにはディープインパクトに乗っていた武豊騎手もさすがに激怒しその場で注意をしますが、武豊に相手をしてもらったことで、さらにバカ騒ぎがエスカレートするという状態。これには凱旋門賞を見に来ていた現地のフランス人、さらには他国の観光客はドン引きだったといわれています。

この様子を伝えた当時のフランスの競馬専門紙「パリチュルフ」では“インパクト狂喜”と称し、ディープインパクトの3位入選(のちに失格)に合わせ、日本人ファンのマナー違反を皮肉交じりに紹介しています。

この年以降、日本の競馬界から数々のスターホースが凱旋門賞に参戦することになりますが、ここまでマナーの悪いファンの報道はありません。まさにインパクト狂喜功罪の功の部分ですが、マナー違反で痛烈に非難された日本の競馬ファンもこの事件から学んだことが数多くあったと思われます。

フランス競馬はイギリスのロイヤルアスコットミーティングほど厳格ではなく、ジャケット着用などのドレスコードはありません。そのため、フランス競馬では比較的カジュアルなファッションで競馬を見に来るファンも多いのですが、一方で過度に熱くならないというのがフランス競馬の特徴。日本のようなお祭り騒ぎを好むのではなく、馬優先で静かにみるというのがマナーになっています。

服装はカジュアルなものでかまいませんが、Tシャツに短パンといったラフなスタイルよりはジャケットくらいは着用したほうがいいですし、指定席で観戦する場合はマストと言えます。

また、カメラは持っていくのは問題ありませんがフラッシュをたくのは絶対にNG。それまでおとなしかった馬がフラッシュに驚いたことで突然暴れだすケースは起きやすく、本来の力を発揮できずに敗れてしまったら、それこそ大問題です。

肩ひじを張りすぎる必要はありませんが、日本の競馬場に比べると少々上品な雰囲気が漂うので、それなりの服装、マナーを心がけて凱旋門賞を観戦するのが好ましいと言えます。フランスの文化に触れ、同じ競馬でもこんなにマナーが違うのかと、文化の違いを知るのも面白いかもしれませんよ。