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意外に不振!? エイダン・オブライエンの凱旋門賞とは?

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世界最高峰の芝レースとして知られる凱旋門賞。多くの国から名馬が多数参戦してくることでも知られていますが、とりわけ強いのは地元フランス勢をはじめとしたヨーロッパ勢。フランスの名門厩舎といえばアンドレ・ファーブルなどが挙がりますが、現在の欧州の調教師で最も実力があると称されているのはアイルランドのエイダン・オブライエンでしょう。

エイダン・オブライエンのプロフィールをたどると、調教師になったのは妻と結婚して2年後の93年。当時のオブライエンは障害馬の調教師として名を上げていましたが、そのスキルの高さに目を付けたのがヴィンセント・オブライエン。同じオブライエンの姓ですが、血縁関係は何もないいわゆる赤の他人ですが、ヴィンセントはエイダンの素質に惹かれ、自身が使用していた欧州最大の調教施設「バリードイル」をエイダンへと譲ります。

誰もうらやむ調教施設を使用するようになったエイダン・オブライエンはその後活躍の場を徐々に平地へとスライドさせ、97-98シーズンまで5年連続でリーディングトレーナーに輝きます。ヴィンセントにも負けない好成績を見せていたオブライエンはクールモアグループの総帥であるジョン・マグナーに認められ、専属調教師に抜擢されます。このころからガリレオやジャイアンツコーズウェイ、ロックオブジブラルタルなどの名馬を育成していきました。

そんなアイルランドが誇る名調教師のオブライエンですが、不思議と縁がなかったのが凱旋門賞。しかし、開業当初のオブライエンは凱旋門賞にあまり興味を示していなかった節もありました。実際、01年の英ダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベス2世Sを制したガリレオが欧州三冠の権利を持っていたにもかかわらずパスして、BCクラシックへと出走させていました。

オブライエンが真剣に凱旋門賞を狙いだしたのは翌02年。この年の英ダービー、愛ダービーを制したハイシャパラルを参戦させます。しかし、ハイシャパラルは夏場に体調を崩し、トライアルのニエユ賞に出走できず、愛ダービーからのぶっつけとなりました。これが災いしたのかハイシャパラルは凱旋門賞で3着に敗れてしまいました。ちなみに翌03年もハイシャパラルを凱旋門賞に出走させましたが、ここでも3着に敗れています。

ハイシャパラルの2年連続3着から2年後の05年、オブライエンは新たなエース候補としてスコーピオンを凱旋門賞に出走させます。アイルランドで調教した馬ながらフランスの馬場にマッチし、パリ大賞典らを制していましたが、肝心の凱旋門賞は10着完敗。降りしきる雨で馬場が重くなったことが影響したといわれています。

ガリレオの件からもわかりますが、もともとオブライエンは管理馬が種牡馬入りした後のことを考えてローテーションを組むことで知られていました。ガリレオの場合は2400m戦への適性は英ダービーやキングジョージの勝利で分かっているだけに、秋のシーズンは芝2000mへの適性、そしてダート戦への適性を見るべくラストランにBCクラシックを選択したといわれています。

実際にBCクラシックに出走時は6着に敗れてしまいましたが、種牡馬入り後はフランケルをはじめ、数多くの馬が距離を問わずに活躍しているところを見ると、種牡馬としての適性の高さを見せています。

オブライエンが念願の凱旋門賞トレーナーになったのは07年。この年のキングジョージを制したディラントーマスを配してのものでした。地元アイルランドのチャンピオンSをステップとして出走させた凱旋門賞は本来不利とされる4歳牡馬での出走でしたが、最後までギリギリまで粘って、2着のユームザインをアタマ差だけ振り切りました。

これまでの成績を考えると、凱旋門賞の更なる勝ち星の上積みが期待されたオブライエンですが、そうならなかったのがオブライエンの管理馬たちであり、同時に凱旋門賞の難しいところでした。

例えば09年、この年のオブライエン厩舎のエースとなったのが、愛ダービー馬のフェイムアンドグローリー。凱旋門賞は同期の英ダービー馬であるシーザスターズとの対決となりましたが、直線で伸び切れずに6着に完敗。

さらに翌10年も愛ダービーを制したケープブランコで挑みましたが、全く見せ場のない13着に惨敗。オーストラリアから遠征してきたソーユーシンクを管理するようになり、11年の凱旋門賞に出走させて4着。さらに12年には英二冠を制したキャメロットを出走させても勝ち切れず。凱旋門賞とオブライエンは不思議と縁遠いものになっていきました。

そんな縁遠き凱旋門賞を再びオブライエン厩舎の馬が制したのは16年。この年のオブライエン厩舎は牝馬のファウンドとキングジョージの勝ち馬、ハイランドリール、さらにオーダーオブセントジョージをも出走させるという3頭出し。ダントツの布陣で臨んだこの一戦は牝馬のファウンドが勝利し、2着にハイランドリール。そして3着にオーダーオブセントジョージが入り、史上初の凱旋門賞1-2-3フィニッシュを極めました。

長らく凱旋門賞を勝てなかったオブライエンが、そのジンクスを破った16年。今後のオブライエン厩舎の所属馬たちはどういう成績を収めるか…注目しておいても面白いかもしれませんよ。