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凱旋門賞史上最高の勝ち馬!? ダンシングブレーヴとは?

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1920年の創設以来、大レースとしての地位を築いてきた凱旋門賞。延べ95頭いる勝ち馬の中で最も高い評価を与えられているのが86年のダンシングブレーヴ。直線だけで並みいる強豪馬を下したという勝ち方は30年以上たった今も色あせることはありません。

そもそも、ダンシングブレーヴがどんな馬だったかというと、生産国は意外にもアメリカでした。イヤリングセールに出展されたダンシングブレーヴはサウジアラビアの王子であるハーリド・ビン・アブドゥッラーに20万ドルで落札されてイギリスの調教師、ゲイ・ハーウッドに預けられます。

ダンシングブレーヴの名前の由来は両親のイメージによるもの。父リファールは舞踏家から名を取り、そして母インディアンのナヴァボプリンセスはインディアンのナヴァボ族の王女という意味。それらを組み合わせて「踊るインディアン戦士」という意味のダンシングブレーヴという名がつけられました。ちなみにダンシングブレーヴ自体は闘争心溢れるタイプではなく、とてもおとなしい馬だったと言われています。

2歳時のダンシングブレーヴの成績は2戦2勝。この頃からダンシングブレーヴの素質は素晴らしいものがあり、翌年のクラシックレース制覇、さらには凱旋門賞制覇を大きく予感させるものでした。その前段階として、3歳になると、クレーヴンSを制して重賞初制覇を飾ると、クラシック1冠目の英2000ギニーをブッチギリで圧勝します。

こうなると、次なる目標の英ダービーは絶対的な存在になりますが、一方で2000ギニーの鮮やかな勝ち方からダンシングブレーヴはマイラーでは?という話もまことしやかにささやかれるようになります。この説に過剰に反応したのがダンシングブレーヴの鞍上であるパット・エデリー。スタミナを温存したいという思いからか、本番の英ダービーでは必要以上に後方に下げてしまいます。

それでも、ダンシングブレーヴの末脚を考えれば届くと思っていたのでしょうが、末脚を届かせるにも残念ながら位置取りが後ろ過ぎました。結局英ダービーは先に抜け出したシャーラスタニを猛然と追いかけるも半馬身届かずに2着。英ダービーでまさかの初黒星となってしまいました。

大一番でまさかの敗戦を喫しましたが、これで距離への対応は問題ないことわかりました。それで安心したか、ダンシングブレーヴは続くエクリプスSに勝利。この時のメンバーにはトリプティクやベッドタイムといった世界的強豪馬も数多くいました。さらに夏の欧州の大レースであるキングジョージ6世&クイーンエリザベス2世Sを快勝。このレースでダンシングブレーヴはシャーラスタニにリベンジを果たします。

そうして迎えた秋の凱旋門賞。ここまで8戦7勝を飾っているダンシングブレーヴは1番人気に推されますが、この年の凱旋門賞のメンバーは超強力。ベーリング、シャーラスタニ、 シャーダリ、トリプティク、アカテナンゴ、ダララに加え、日本ダービー馬のシリウスシンボリ、チリのラスオークス優勝馬マリアフマタなど、出走15頭中11頭までがG1レースの勝ち馬でした。これだけのメンバーが揃うのは65年と並んで史上最強と称される豪華メンバーがロンシャンに集結しました。

その中でのレースとなりましたが、ダンシングブレーヴの強さは変わりませんでした。スローでレースは流れたことでダンシングブレーヴの末脚が不安視されますが、12番手で直線を迎えるとそこから他馬を一気にごぼう抜き。しかも前が壁になったことを理由に距離ロスのある大外に進路を振ってのものでした。

それでもダンシングブレーヴは直線で前を行く11頭をあっという間に抜き去り、最後の1ハロンに至っては10秒8というタイムで駆け抜けます。豪快に差し切ったダンシングブレーヴは2着のベーリングに1馬身半の差をつけてゴール。見事に凱旋門賞を制覇します。

この勢いでダンシングブレーヴは故郷のアメリカに渡り、ブリーダーズカップターフの制覇をもくろみますが、凱旋門賞の激走で燃え尽きたのか、4着に完敗。このレースをもってダンシングブレーヴは引退します。ここまでのキャリアは通算10戦8勝。ちなみに敗れたレースは2戦とも左回りだったため、左回りが苦手だったのかもと後年語られています。

ブリーダーズカップターフのレース内容は今一つでしたが、77年から始められたインターナショナル・クラシフィケーションでダンシングブレーヴは141ポンドを与えられます。いかに凱旋門賞の勝利のインパクトが大きかったことを現しています。

ちなみに歴代の凱旋門賞勝ち馬で見ると、凱旋門賞連覇のアレッジドの140ポンドを上回りました。さらにダンシングブレーヴのこの記録は向こう20年以上更新されず、12年に14戦無敗で現役を去ったフランケルに抜かれるまで歴代最強という評価を得ていました。

凱旋門賞史上最強と称された勝ち方を見せたダンシングブレーヴ。伝説の名馬に並ぶ馬が今後現れるかも今年の凱旋門賞の注目ポイントの一つと言えるでしょう。